福本琢の好きなもの





朝日鷹 (あさひたか)


「十四代」で知られる山形県村山市の高木酒造が醸す地元限定流通酒。入手困難な日本酒の代名詞にもなっている「十四代」は、ご当地ではお目にかかれないが、「朝日鷹」は蔵元のお膝元でしかほとんど入手できない。昔から地元で親しまれてきた晩酌酒だが、「十四代」の登場に伴い酒質が向上したという声も聞かれる。創業は江戸時代初期の1615年で、400年以上も続く老舗蔵。 現当主は15代目の高木顕統(あきつな)氏で、東京農大醸造科を卒業後、東京で流通業界に身をおいていた。1993年に父親の要請で帰郷し、稼業を継承。やがて「十四代」を世に送り出すが、その名は先代の父に敬意を表してつけたと伝わる。「朝日鷹」はほんのり甘い香りにサラッとした味わいで、「十四代」を彷彿とさせるとの評価もある。25m地下からの自然湧水を仕込み水にした特別本醸造で、本醸造ながら吟醸香漂う柔らかな味わいとフレッシュな舌触り、そしてコストパフォーマンスの高さが評価されている。


福本琢